三菱電機 産業システム研究所は、電力系統をリアルタイムで解析・評価するシミュレータ（PCクラスタリアルタイムシミュレータ）を開発し、保護リレー総合試験装置として実適用しました。これは、高信頼度の電力供給を目的として、突発的な事故の際の保護リレー装置の動作を、リアルタイムで評価・検証する試験装置です。

　リレー総合試験を実施する高速な電力系統リアルタイムシミュレーションを行うには並列処理が力を発揮しますが、専用機の開発や高価なスパコンの導入には膨大なコストが掛かります。

　そこで、RWCP 並列分散システムソフトウェアつくば研究室が開発した
SCoreクラスタシステムソフトウエアを使用して、汎用パソコンを高速ネットワーク結合したPCクラスタを用いて効率良い並列処理によるシミュレーションを行う技術を開発。これにより、コストを抑え、拡張性や移植性に優れたシステムを安定に動かすことができます。

　この技術は、2/15/2001付け電気新聞で紹介されました。

三菱電機　系統変電交通システム事業所（神戸）西門

リレー総合試験装置が設置してある建家

PCクラスタリアルタイムシミュレータ(右手3段ラックのPC)
リレー試験用の電力系統をリアルタイムシミュレーションする。

従来はこの写真に見られるアナログシミュレータを用いて機器を試験していた。 試験項目を変更するためには、蜘蛛の巣のような配線を変更しなくてはならず、多くの時間と人手を必要とする。

送電線保護継電装置
試験の対象となった送電線保護継電装置。リレー総合試験では送電線に、落雷などを想定した異常を発生させ、送電線が無事遮断されることを確認する。

PDF-file (PCクラスタリレー試験の流れ図)
PCクラスタにより、リレー動作の総合試験を行う。装置の構成と流れのブロック図。