PROMISE(並列分散科学計算用プログラミング環境)によるデータ空間およびデータ間依存性の構造の取り扱い方法を解説する。データ構造およびデータ間依存性に存在する規則性をPROMISEがどのように取り扱い、最適化を実行するかに焦点をあてて解説を行う。ここで特に興味の対象となるのは、アフィン・アクセスおよびpolytope境界により特徴付けられる規則性の種類である。アフィン・アクセスとは、アクセス位置が、実行指数の整数値線形関数により定義されることを意味する。以下に例をあげる。

PROMISEでは、数学の群論を用いて依存関係を記述する。この方法により、依存性に基づいたアラインメントを自動的に実行することが可能である。 Polytope境界は、整数(あるいは分数)係数を持つ指数の線形不等式の集合により特徴づけられる。例えば、三角形は以下により導かれる。

この種の条件を用いて、指数が有効であるかどうか、すなわちその形状に該当するかどうかを確認するのは容易である。しかしながら、効率のよい繰り返し子(iterator)の構築はそれほど自明ではない。PROMISEでは、線形プログラミングによる構築が可能である。