1.はじめに

キーワードのAND/ORによる単純な「文書」検索から、ユーザの検索要求により近い特定の「答えとなる情報」の検索技術が必要である。答えとなるの情報の検索には２つの流れがある。

(1)表型検索

検索要求の観点を表の行と列の項目として予め設定しておいて、各行と列のキーワードのAND検索条件として一同に複数の検索要求を発行し、その結果を表の各セル内にまとめるというものである。

例として、「アメリカと日本のビジネスに関するジャーナルは?」「景気対策として政治改革を進めたい政治家は?」などがある]

3.意味的情報検索の実現方法 係のタグカシ寸与されたコーパスを検索する。

(2)シソーラスによる展開

入力文字列から求めた係り受け関係で検索した結果が無い場合は、シソーラスを用いてキーワードを下位のキーワードに展開して検索を行う。

(3)内部表現モデル

現在Vector space Modelを拡張したモデルを研究している。詳細については別の機会に報告を行う。

4.結論

係り受け関係とシソーラスを用いることにより、意味的な情報検索の１つのアプローチを示し、そのプロトタイプシステムを開発した。

謝辞

本研究を進めるにあたって、ご助言を頂いた電子技術総合研究所の橋田浩一氏に感謝します。システム設計の面でご議論頂いた三菱電機産業システム研究所の小船隆一氏に感謝します。

本研究にはRWCテキストコーパス、京都大学テキストコーパスおよび毎日新聞1995年版CD-ROM を使用した。

参考文献

橋田、豊浦、津高:「構造化文書に基づくインタラクティブな意味的情報検索」
情報処理学会
第116回知能と複雑系研究会資料(1999.5.24)