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本年5月に開催されました技術研究組合新情報処理開発機構の平成9年度通常総会において、北岡隆理事長（三菱電機株式会社取締役社長）が任期満了で退任され、私が後任の理事長に選任されました。皆様方には、前理事長と同様に引続きご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
ご高承のとおり、現下の経済構造改革を着実に推進し新たなる産業発展の基盤を確立するため、一層の情報化の推進が求められております。このような状況のなかで、政府の情報化施策展開の一翼を担う組合の代表者といたしまして、その重責に決意を新たにしているところです。
当研究組合は、平成4年7月の設立以来、現実世界の多様な情報をそのまま認識し処理することができる革新的な情報処理技術体系の確立を目標に掲げ、通商産業省の主導による10カ年計画「リアルワールドコンピューティング技術開発プロジェクト（RWC）」を実施しております。平成4年度から平成8年度までの前期5年間においては「柔らかな情報処理システム」に関する研究開発を行いまして、多くの成果を得ることができました。世界に先駆けたパソコン/ワークステーションのクラスタ化による高速並列処理システムの開発、ジェスチャや音声で操作できるパソコンの試作、プロセッサ間の光インタコネクションの開発等、各々の分野で高い評価を受けております。
本年度からの後期5年間におきましては、これまでの枠組みを継承しつつも従来の実績を踏まえ、次世代の情報処理技術体系を確立すべく、実世界知能技術及び並列分散コンピューティング技術の2つの分野に研究資源を集約し技術開発を進めてまいります。
このように重要なミッションを有する先端的な国家プロジェクトの遂行に当たり、当研究組合は、国内外の組合員20社（機関）を中心とする産学官の共同研究体制を築いております。また、情報技術分野に優れた電子技術総合研究所とは、一層連携を強化することとしております。
最後になりますが、グローバルな研究体制のもとで私どもが開発する次世代情報処理基盤技術の成果が、世界の科学技術の進歩に貢献し、同時に今後の経済社会の発展や豊かな情報化社会の実現に大いに寄与できますことを念願いたしまして、挨拶に代えさせていただきます。
（1997年6月）
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